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肛門の病気について

肛門はガスや便を排出する器官です。便の硬さや頻度は人によって異なるのが普通です。しかし、習慣的に硬い便や下痢便が続く場合には、肛門にかかる圧力が原因で内外痔核や裂肛、痔瘻などの病気が引き起こされます。肛門の病気で多いのは内外痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(穴痔)です(図)。頻度は少ないですが直腸脱(おしりの脱腸)や腫瘍(悪性、良性)、感染症(尖圭コンジローマ)などもあるため、それぞれの病気を鑑別して適切な治療を受けるためには肛門の病気に慣れた医師の診察を受けることが大切です。

おしりの皮膚は肛門の入り口から1-2㎝奥まで続いています。そして、入り口から1-2㎝奥で腸とつながります。皮膚と腸のつなぎ目の事を歯状線と呼びます。この歯状線より内側に起こる病気では痛みが少なく、歯状線より外側では強い痛みがでることが特徴です。図にそれぞれの病気の発生部位が示されていますが、歯状線より腸側にできる内痔核では痛みが少なく、出血が主体の症状がでますが、歯状線より外側にできる裂肛や外痔核では痛みが症状の中心となります。皮膚から歯状線にかけてできる痔瘻では出血や痛み、膿がでるなど多彩な症状がでます。

当科では、直腸肛門鏡や経肛門超音波検査、CT/MRI検査を行い、病気の詳細な診断を行います。そして、薬物療法や注射療法、手術療法等など適切な治療を提案します。手術については短期入院での手術や注射による治療も対応しています。

おしりは排便や排ガスなど生活に密着した非常に大切な場所ですが、デリケートゾーンのため出血や痛みなどの症状があっても我慢している方が多いかと思います。当科では一人一人のニーズに合わせた診察、検査、治療を心がけておりますので、是非一度相談ください。