サイバーナイフ

サイバーナイフ

当院で行っているサイバーナイフ治療の特徴

・多くの癌種に対して保険適応を有します。
・1回30分の放射線照射を連日3-5回、通院でも治療可能です。
・治療は痛くも痒くもありません。副作用は軽微なものがほとんどです。
・2024年4月現在の保険適応は下記のとおりです。
 1)原発病巣が直径5cm以下であり転移病巣のない原発性肺癌、原発性肝癌又は原発性腎癌、3個以内で他病巣のない転移性肺癌又は転移性肝癌
 2)転移病巣のない限局性の前立腺癌又は膵癌
 3)直径5cm以下の転移性脊椎腫瘍
 4)5個以内の転移病変※及び脊髄動静脈奇形

医療従事者の方へ

当院では他院で断られた症例に関しても、治療を行うことで予後の改善が見込まれる場合、あるいはQOLの改善が期待されるに場合、積極的にサイバーナイフを施行しています。サイバーナイフは根治的治療の1つですが、姑息的な治療としても非常に有効です。例えば骨転移に対する緩和照射がその一例になります。また遠隔転移であっても数が限られる場合(5つ以内)は、サイバーナイフで予後の改善が期待できる場合もあります。化学療法の継続が種々の理由で困難な場合のサポート、遠隔転移でもあっても画像的な治癒が視野に入る場合などでも有効な治療となり得ます。適応の判断が難しいと思いますので、そのような症例の場合は一度ご相談いただければ幸いです。主治医の先生の方針、患者さんの希望に沿うようなかたちで治療に当たりたいと思います。治療後のフォローに関しては、紹介元の先生にお願いするケース(特に遠方の場合)、当院と併診のケース、当院のみの場合の3パターンで対応しております。

サイバーナイフ治療とは

放射線治療の1種で、定位放射線治療の1つに含まれます。定位放射線治療は、癌の部分にできるだけ放射線を当てて、それ以外の健常臓器にはできるだけ放射線を当てないピンポイントの放射線治療を指します(図1-2)。癌に対する治療効果が強い反面、副作用がとても少ないのがメリットです。サイバーナイフ治療の機械は、2024年4月現在、千葉県では唯一当院にあります。

サイバーナイフの適応

2024年4月現在、ほぼすべての癌種に保険適応を有します。頭から体幹部まで、どこにできた癌でも治療可能な場合が多いです。

現在の保険適応は下記のとおりです。
 1)原発病巣が直径5cm以下であり転移病巣のない原発性肺癌、原発性肝癌又は原発性腎癌、3個以内で他病巣のない転移性肺癌又は転移性肝癌
 2)転移病巣のない限局性の前立腺癌又は膵癌
 3)直径5cm以下の転移性脊椎腫瘍
 4)5個以内の転移病変※及び脊髄動静脈奇形

実臨床では、大きさは最大6cm、腫瘍の個数は3個までが良い適応となりますが、症例に応じて治療可能な範囲は変わります。また、管腔臓器(胃、十二指腸、大腸など)にできた癌に対しては不向きです。ご自身の癌にサイバーナイフ治療の適応があるかどうかは外来でご相談ください。

サイバーナイフ治療の効果

治療する癌種、大きさ、場所によって異なってきますが、おおよそ90-95%の局所制御率を誇ります。局所制御とは放射線を照射した癌が、小さくなりそのままの状態を維持している状況を指します(消えてしまう場合も多いです)。治療効果は、手術やラジオ波焼灼療法と異なり徐々に出てきます。サイバーナイフ治療が終わって数ヶ月してから効果を発揮します。

サイバーナイフ治療の目的

・根治的治療として:癌を完全に治す目標で治療にあたることを「根治を目指す」と言います。癌が限局しており根治を目指せる場合は、理想的なエネルギー量を照射することにより前述の高い局所制御率の達成を目指します。
・姑息的治療として:「姑息」と言うとニュアンスがあまりよくない響きがありますが、特に癌を完全に治すのが難しい場合に使用する治療方法のことを指します。遠隔転移がいくつもあり、癌を完全に治すのが難しい場合でも、サイバーナイフ治療によって延命が可能となる場合があります。どのようなケースが適応をとなるかは、癌の種類、個数、大きさによって変わってきますので、ご相談いただければ幸いです。

実際の症例にみるサイバーナイフ治療の効果(2024年4月時点)

●膵癌85歳女性:ご高齢で手術や抗癌剤治療が困難なため、サイバーナイフで通院治療を行いました。照射後1年半が経過し、癌は小さくなりそのまま大きくなりません。他の場所への転移もなく、とても元気に生活されています(図3)。

●肺癌76歳男性:原発巣を手術後、気管支近くにリンパ節転移が見つかりました。基礎疾患があるため抗癌剤治療が難しく、サイバーナイフで治療することになりました。治療後、リンパ節転移は縮小し、そのままの状態を維持しています(図4)。経過中、その他の場所にも転移は出現しましたが、その度にサイバーナイフ治療を行いました。残念ながら転移が見つかってから3年半の経過で亡くなられましたが、当初はA病院で余命半年と宣告されており、十分な治療効果が得られたと考えています。家族からも「有意義な時間を過ごすことができてとても良かった」と感謝のお言葉を頂戴しました。

●前立腺癌83歳男性:比較的進行した前立腺癌の症例です。手術および化学療法の希望がなく、できるだけ体に負担の少ない治療を希望されサイバーナイフを施行しました。治療後ホルモン療法も併用し、腫瘍は徐々に縮小してその状態を維持しています(図5)。

●肝細胞癌78歳女性:肝臓のS1と呼ばれる標準治療(手術・ラジオ波焼灼療法)が難しい場所に肝細胞癌を発症しました。当初は高難度の手術を受ける予定でしたが、体への負担が少なく安全に治療可能なサイバーナイフを選択されました。治療後、肝細胞癌は消失しました(図6)。治療から5年以上再発なく経過しています。

●肝細胞癌65歳男性:肝細胞癌治療後の患者さんです。腹腔内のリンパ節に再発認めました。通常、リンパ節再発のような遠隔転移の場合は、例えその数が1つであっても標準治療は抗癌剤投与となります。しかしながら、この患者さんは心臓の病気と維持透析をされている関係で、まずはサイバーナイフ治療を行うこととしました。幸いなことに治療後、リンパ節転移は消失して(図7)、その後5年以上再発を認めていません。

●その他、他臓器への転移(肺転移、骨転移、脳転移、副腎転移、腹膜播種など)、脈管浸潤(血管内あるいは胆管内への進展など)、胆管癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌など、多岐にわたる癌を治療しています。

当院でのサイバーナイフ治療をご希望される患者様へ

1.サイバーナイフ治療宛の紹介状をお持ちの方

当センターに電話、FAXでご連絡ください。
患者様のご都合を確認のうえ、受診日の予約をお取りいたします。

2. 紹介状のない方

ホームページなどで当外来の事を知り、紹介状をお持ちでない受診希望の方は、まずお電話にてご連絡ください。

3. 医療費について

サイバーナイフ治療は健康保険の適応になっております。

医療費の支払限度額認定制度もございますのでご相談ください。

医療法人SHIODA 塩田記念病院 サイバーナイフ受付

担当:細川

電話  :0475-35-0109(受付)

FAX  :0475-35-0098

E-mail:x-ray@s-fmc.jp

〒297-0203 千葉県長生郡長柄町国府里550-1

治療の流れ

1. お問い合わせ お問い合わせをいただき、来院日を予約させていただきます。

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2. 外来受診 外来を受診していただき、CT・MRI撮影を行い、病気の診断と治療部位を確定します。サイバーナイフ治療について説明させていただきます。

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3. 診断・治療計画 撮影された画像をもとに治療計画を作成します。

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4. 治療 作成された治療計画に基づいて、定位放射線治療(サイバーナイフ治療)を行います。治療期間は1日~5日間になります。1回の治療時間は40~50分程度です。

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5. 治療終了後 治療後は定期的に経過をみさせていただきます。ご紹介いただいた先生の元で経過を観察することもあります。
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