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CVポートの留置について

CVポートとは?

皮下埋め込み型カテーテルのことで、中心静脈カテーテルの一種です。図のように皮下に埋め込まれたポートからカテーテルを挿入し、カテーテルの先端が中心静脈に位置するように留置します。このため、経皮的にポートに穿刺することで、中心静脈に薬剤を投与できる仕組みになっています。

元々、在宅で点滴を行うための機器として開発されたため、長期間点滴を必要とする方への埋め込みが適応で管理も難しくありません。また、近年では抹消点滴の確保が難しい方や、抗がん剤治療を受ける方への埋め込みも増えています。長期的に点滴による水分、栄養の管理が必要な方や、定期的に治療薬(抗がん剤等)を投与する治療を受けている方にとっては強い味方となってくれます。例を挙げると、誤嚥性を繰り返して入退院を繰り返しておられる方の栄養管理と治療時の仕様を目的とした埋め込みや、血管が細く通常の点滴確保が難しい方の点滴確保目的の埋め込み、造設部位は頸・胸・上腕・前腕・大腿・腹壁等、様々な部位に埋め込むことが可能ですが、頸・胸・腕を選択するのが一般的です。

CVポート留置の良いところ・悪いところ

良いところ
① 皮膚の中に埋め込むため、日常の生活の邪魔にならない。
② 必要な時だけ使用できる。
③ 高カロリーの点滴や薬剤を安全に投与できる。
④ 1回の穿刺で点滴が投与でき、点滴の漏れによる刺し直しがない。

悪いところ
① 局所麻酔での手術が必要となる。
② 細菌感染や閉塞した場合には抜去と入れ替えが必要となる。
③ カテーテルが細い血管の中を通過しているため、静脈炎が起こることがある。

CVポート埋め込み術

局所麻酔をかけ、30分ほどの手術で埋め込みが完了します。普段点滴や採血検査の時に穿刺する抹消の血管からカテーテルを留置し、ポート(セプタム)と接続して皮膚の下に埋め込みます。通常は1泊の入院で入院当日に手術を行い、翌日にCVポートを使用して問題がなければ退院となります。

CVポートは、在宅での点滴、栄養管理、薬剤投与など長期・定期の点滴が必要な状態の方により安全でストレスの少ない点滴経路を提供する機器です。日常の点滴管理でお困りの方は是非相談ください。